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執筆者の写真圭介 佐藤

「野外保育 風の森」を視察しました


多様な自然や地域の環境を活かした幼児教育について調査研究するため、長野県大町市にあります「野外保育 風の森」を視察しました。



長野県では、豊かな自然環境や地域資源を積極的に取り入れた保育・幼児教育の普及を図ることで、信州で育つすべての子どもが心身ともに健やかに成長できる環境を整備し、全国をリードする「子育て先進県」を実現するために、「信州やまほいく認定制度(信州型自然保育認定制度)」を創設しました。


長野県の面積は、全国4位の広さがあり、その多くが森林です。

緑や空、おいしい空気や水に囲まれた環境を活かし、伸び伸びと子どもたちに育ってほしいという願いからこの制度が生まれ、5年が経過しています。



2020年12月現在この制度の認定を受けた園(団体)数は、226園です。


認定園となると、

●県主催の各種研修会や交流会への参加

●自然体験や安全管理の専門指導者の県からの派遣

●自然保育ポータルサイト「信州やまほいくの郷」に開設されている各園のページでの活動内容アピール

●公的支援を受けていない団体への人件費助成

●「長野県森林づくり県民税」を活用した活動フィールド等整備のための補助

などのメリットがあります。


認定区分には

特化型認定基準…質、量ともに自然保育に重点を置いて取り組んでいる活動

普及型認定基準…ほかのプログラムと一緒に自然保育にも取り組んでいる活動

の2つがあり、「野外保育 風の森」は特化型の認可外保育施設となります。



野外保育 風の森


「野外保育風の森」の特徴(HP等より抜粋)

雨の日も風の日も、基本的に毎日外で過ごし、四季を通して暑い日も寒い日もお散歩に出かける。

里山で暮らす人々の営みや、自然への移り変わりを身体で感じることで、子どもの五感を磨き、豊かな発想、強い心と身体、慈しみの心を育む

毎日の散歩での自然観察は、エコロジーを伝えていくのにとても重要で、子ども達は、実践の中で自然界はすべて循環していることを体感していく。



子どもの創造的な想像力をより豊かにするため、公園の遊具やプラスチックのおもちゃではなく、自然物(木、布、羊毛、木の実など)や、保育者や親が作った単純で素朴なもので遊ぶ




日常生活の体験を重視し、野外調理や味噌作り、日々のおやつ作りも行う。

 調理の為に火を焚くこと、園舎の掃除、使用した食器を洗ったり、洗濯したりと生活に伴う仕事も園で学ぶ大切なこと。

火やナイフを使い、虫やヘビがいるかもしれない場所にも出かける。危ないものとの上手な付き合い方こそ、大人たちが教えていかなければならないことだと考えている。


野外保育 風の森のHPはこちらです。



お話を伺ったところ、


・当初は「自然を活かした保育をしよう」という目的を持った気心のしれた中同士で、有志で預かり保育を始めた

・遊具も仲間の建築関係のお父さんが作ってくれた



・もともと休耕田であった場所をご近所の方が使っていいと言ってくださり、使用している

・そのため水は湧き水を組みにいく

・トイレは水を使わない「コンポストトイレ」を設置している

 ※コンポストトイレ…水も電気を使わず、微生物の働きで堆肥分解するトイレ



・ピザ窯でピザを焼いたり、野菜スープを作ったりして食べる



・子どもたちは裸足でかけまわっている

・お散歩コースであぜ道を歩くといのししや猿に出くわすこともある


様々実情を伺うことができました。


このような自然保育の認定・認証制度は、長野県のほか、広島県や滋賀県、鳥取県などで既に創設されています。


各県により運用の詳細は異なりますが、認定を受けることで、自然体験活動に必要な経費の補助や、研修の受講、外部指導者の招へい経費、森林フィールドの整備費の補助などを受けることができるメリットがあります。



神奈川県では、NPO法人森のようちえんネットワーク連盟に加盟している団体が10団体あるほか、逗子市で活動している一般社団法人そっかが運営する「うみのようちえん」など、地域の自然を活かした子どもたちの居場所づくりが行われています。


森のようちえんについては、本年1月に国会議員による「森のようちえん振興議員連盟」が発足したほか、東京都では「自然を活用した東京都版保育」のモデル事業を実施するなど、自然を活用した保育活動は今後広がっていくべきと考えます。



認定制度の創設により、自然保育の認知は進んだ一方で、自然保育にこだわってない方も受け入れる状況となったことで保護者の方と保育に対する考えに祖語が生じるなど課題も見えてきました。


自然に親しみ、さまざまな感受性を育む教育ができるように制度の研究をしていくとともに子どもたちが安心して遊べる自然やフィールドの整備も必要と考えます。


自身も汗を流し、開拓していくことで、自然や地域資源を活用したまちづくりをしていきたいと思っています。





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