令和2年3月12日(木)から17日(火)まで(土日を除く)4日間に渡り予算委員会が開催され、令和2年度の当初予算について質疑が行われました。
その中で私は、
・法人二税の超過課税を活用した災害に強い県土づくりの推進
・テレワークの推進
の2点について質疑しましたので、内容をお知らせします。
1 法人二税の超過課税を活用した災害に強い県土づくりの推進について
昨年の台風第15号・19号は、いずれも本県を含む首都圏を直撃し、東日本の広範囲に記録的な豪雨や暴風により、甚大な被害をもたらしました。
特に、台風第19号では、本県でも河川の溢水や広範囲にわたる停電や断水など重大な被害が発生し、災害対策について様々な課題が明らかとなったところです。
県では、災害の頻発化・激甚化が懸念される中、今回の教訓を今後の対策に活かしていくことが重要であると考え、この2月に水防災戦略を策定し、大規模水害等への備えを加速させ、令和2年度当初予算案においても、約179億円の法人二税の超過課税を活用して、「災害に強い県土づくり」など、総額約940億円の事業を推進するとしています。
そこで、河川のハード対策や避難所となる県立学校等の耐震改修など「災害に強い県土づくりの推進」について質疑しました。
※台風19号の襲来により、増水する相模川
私たちにとって身近な相模川でも、台風第19号で緊急放流が実施され、流域の安全安心を確保するためにもハード対策に重点的に取り組む必要があります。
一方で、住民の皆様からは堆積した土砂の除去を望む声や、樹木の伐採などに関して何の工事をやっているのかという声もたびたび伺います。
私は、工事を進める際に、県が住民の声に対応して様々なコミュニケーションをとることや、業者に工事を任せたらそのままにするのではなく、「ここの堤防の、ここが危なかったんだ」という河川の近くに住む方の声を反映するべきであると考えています。
令和2年度には厚木市酒井地区の堆積土砂撤去、愛川町八菅山地区の河川樹木伐採に取り組む予定ですが、ハード面と同時に地域防災計画などソフト面の対応も求めました。
※避難所となっている小学校を見回りました
県の教育委員会では「新まなびや計画」に基づき、県立学校の耐震改修を行うとしており、改修のスケジュールや老朽化対策について質疑しました。
現段階での耐震改修の進捗率は16%ですが、児童生徒の教育活動に配慮しながら、概ね令和5年度までに耐震対策を実施し、あわせて老朽化対策も行うとのことです。
児童生徒の安全を確保することは何よりも大切です。
災害時に役割を果たす観点からも、着実な実施を求めました。
米中貿易摩擦による企業収益の回復の遅れや新型コロナウイルス感染症の影響などにより、当初予算で見込んだ約179億円の税収が、減収となるおそれもありますが、水防災戦略に基づく河川の対策など「災害に強い県土づくりの推進」は、「県民のいのち」を守る取組であり、厳しい財政状況にあっても、しっかりと進めていく必要があります。
取り組みをスピーディーに進めることを要望しました。
2 テレワークの推進について
※「中小企業のためのテレワーク導入ガイド」より
新型コロナウイルスの感染の拡大の防止のため、通勤ラッシュや人混みを回避し、住宅での勤務も可能となるテレワークはその有効な対策です。
全国でテレワークを導入している企業は19.1%で低い状況ですが、導入がなかなか進まない理由は、
・テレワークに適した仕事がないから … 約73%
・業務の進行管理が難しい、情報漏洩が心配 … 約20%
・導入メリットがわからない … 約13%
などとなっています。
※「中小企業のためのテレワーク導入ガイド」より
昨年7月に東京都が都内の企業を対象にアンケート調査を行い、従業員300人未満の中小企業でテレワークの導入が進んでいないことがわかりましたが、本県では、テレワークに特化したアンケート調査は行っていません。
県では、現在の状況をより詳細に把握するため、総務省が行っている「通信利用動向調査」のうち、本県企業の結果の提供を求め調整を進めているところですが、データを把握することで今後に生かしていくものが大きいと考えられることから、取り組むことを求めました。
※「中小企業のためのテレワーク導入ガイド」表紙
県ではこれまで体験セミナーの開催やアドバイザーの派遣などにより、中小企業のテレワーク導入を支援しており、平成30年5月には、知事が九都県市を代表して東京などの経済団体に対し、テレワークの積極的な導入を要請しました。
さらに今年度はテレワークを導入するためのガイドブックを作成し、中小企業への普及啓発を図っています。
今回の新型コロナウイルスへの対応にあたり、テレワークが労働者を守りながら、業務を継続するために有効であることが広く認識され、国は中小企業のテレワーク導入助成金の募集期間を延長するとともに、その要件を緩和し、労働者がひとりでもテレワークを行えば助成の対象としました。
非常災害時や感染症流行時における事業継続性の確保の観点を含め、今後県内の中小企業に対するテレワーク導入の促進にどのように取り組んでいくのかについて質疑すると、県としても、使いやすくなった導入助成金について、中小企業への周知を図り、さらなる活用を促していくとのことでした。
さらに、県内の複数のIT企業が、今回の国難ともいえる事態にあたり、テレワークシステムの無償提供等を始めており、県ではこうしたことを積極的に広報するとともに、テレワーク活用の機運を一層高め、中小企業への導入を促進していきます。
国の助成金は現在とても使いやすくなっています。
テレワークは、有事に事業を続けるひとつの手段として、非常に有効であると考えられ、詳細なデータをもとに中小企業への導入に取り組むことを求めました。
令和2年第1回定例会も明日25日(水)が最終日となります。
令和2年度は、気候変動問題への対応や、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会などを通じて、本県の施策が新たなステージに入ります。
最後まで慎重審議に努めます。
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