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執筆者の写真圭介 佐藤

令和3年第3回定例会を折り返しました

更新日:2021年10月20日




10月15日、「令和3年度9月補正予算案」等の諸議案が可決されました。


前日の14日には、幼保・小学校等に通う子どものいる家庭に配布した抗原検査キットのうち、有効期限が10月末日までとなっていたキットについて、11月以降も使用可能なキットを購入するための10月補正予算案等が上程され、付託された厚生常任委員会での審査は深夜に及び日付をまたいで可決されました。





10月14日厚生常任委員会



県は9月9日から幼保・小学校、特別支援学校に通う子どものいる家庭に抗原検査キットの配布を行っていますが、一部のキットの有効期限が10月末日となっていました。

寄附をいただいた40万キットすべてが有効期限が10月末日となっていたことから、同数を追加購入します。


補正予算額は3億9,600万円で、全額「地方創生臨時交付金」が充てられます。


これからインフルエンザなど、冬が近づくにつれ発熱患者が増えることも考えられますが、

無償配布の対象については、この事業を始めたきっかけがワクチン接種の対象外となっている未就学児の感染対策であったことや、薬局でも購入できるよう規制緩和が行われたことからこれ以上の拡大はしないとの結論にいたったとのことです。



佐藤 新型コロナウイルス感染症対応の地方創生臨時交付金の残は

室長 事業者支援分に限ると未活用額は約13億9千万円


地方創生臨時交付金事業者支援分は、これまで合計で226億3千万円交付されました。

10月補正予算までの活用額がこれまで212億4千万円のため、現時点での未活用額は13億9,000万円ということです。


今後の活用については、一般財源で計上せざるを得なかった健康医療局の事業への振り替えや、事業者支援全般の状況を踏まえて全庁的に検討していくとのことです。


佐藤 交付金をキット配布事業に充てたのは初めてなのか

室長 初めてのこと


これまで地方創生臨時交付金は産業労働局の事業者支援の事業に充てていくための財源でしたが、一部残が出たということと、追加購入にあたって県の一般財源の状況が非常に厳しい中、この事業に充当できることが国に確認できたため、措置にいたりました。


今回地方創生臨時交付金を活用できた意義は大きい。

今後ワクチン検査パッケージを進めていくことから、財源を有効に活用し抗原検査キットの購入について探ってほしいと考えます。

会派としても国に財源を求めることを要望しており、今後経済をまわす観点からも重要な事業であるため、検討を求めました。



事業者への支援給付金

10月補正予算では、抗原検査キットの追加購入のほか、国の月次支援金に対して県独自に給付金額を加算し、支援対象も拡大するための補正予算が計上されました。


※国の月次支援金については、緊急事態宣言が9月30日で全面解除されたものの、政府の基本的対処方針で1ヶ月までを目途に飲食店に対する時短要請等を行うこととされていることを踏まえ、10月分まで延長されています。


・酒類販売事業者等支援給付金の詳細はこちら

・中小企業者等支援給付金の詳細はこちら


なお、4、5、6月分の申請期日が近づいています。(申請期日:10月31日(当日消印有効))申請を検討されている方はお早めにご申請ください。



討論



抗原検査キットの児童への追加配布

この事業は、新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を財源としています。

この交付金はこれまで主に事業者への協力金などに多くが充てられており抗原検査キットの購入を交付金の対象としたのは初めてです。


抗原検査は自宅で簡単に検査ができることから、感染防止や感染不安を払拭できることにつながる非常に優れたものだと考えます。

このことからも抗原検査キット購入に係る財源に関しては今後も確保する必要があると考えます。

交付金の財源をさらに活用することや包括支援金への対象とするなど国に粘り強く働きかけていただくよう重ねて求めました。


また薬局で抗原検査キットが購入できるようになったとはいえ、抗原検査キットが十分に社会に浸透し、学校や家庭において検査が根付くまでには時間がかかります。

追加購入配布をする時期に、使用方法を一層周知徹底していただくとともに、キットの利用期限を過ぎても、周知不足から使用してLINEをとおして報告があることも考えられますので適切な対応を求めました。


我が会派には抗原検査キットの入手方法の問合せが多数あり、使用した人からは感染不安がなくなりほっとした、自分の状態を確認できるようになった、対策がとれた、など抗原検査キットの評価も寄せられています。

ワクチン検査パッケージが国から示される中、社会経済を本格的に再開するため、検査によって得られるデータや使用した方の行動変容は今後の政策決定の判断材料にもなり得ると考えます。

今回は期限が切れた約40万個分を追加で購入するということではありますが、これからの冬にかけてインフルエンザが蔓延する季節でもあり、コロナ同様に発熱するケースも考えられ、感染防止対策を徹底するために、更なるキットの追加購入の検討を求めました。




事業者に対する、支援給付金

長引くコロナ禍、事業者は苦しみながらも事業を継続するために奮闘されています。

その中で県の独自上乗せ金である酒類販売事業者等支援給付金と中小企業等支援給付金は対象事業者にとって有効な支援策です。


しかし、さまざまな支援策の情報が事業者に届いていないこともあり、支援する県として今まで以上に情報発信に努める必要があります。

知らなかったという事業者がないように周知徹底を求めました。


また、給付金を申請する事業者は、国の月次支援金給付を受けることが要件になりますが、4月から6月分の申請締めきりが10月31日と迫る中、すでに国の月次支援金の申請内容に訂正するべき不備があり、問題解決までに時間を要す事業者もいますので、柔軟な対応を求めました。

あわせて個別に県に相談してきた事業者だけでなく、国の対応の結果待ちとなっている事業者も複数いるため、申請しているすべての事業者に対して申請が完了している場合には期限後であっても県の支援給付金の受付ができることをホームページなどへ明記するなど、情報を周知徹底していくことを求めました。



10月15日厚生常任委員会

抗原検査キットの追加購入について、14日の補正予算に続き、15日に動産の取得について審査しました。


キットの取得にあたって、供給体制を確認しました。

県では例えば週でどのくらい生産できるかということなどを事前に把握していたわけではなく、期間が短い中、見積もりの提出を依頼したところ、9社のうち8社が辞退し、40万個を10月中に納品できるという条件を満たした富士レビオ社と随意契約を行うこととなりました。


今後は「神奈川県抗原検査キット適正使用推進協議会」の中で、実際に薬局で販売するキットがどのくらい製造されるのかといった情報を共有し、あわせて製造能力についても把握していくということです。


討論


近年の自然災害への対応

今年の夏も自然災害の脅威にさらされました。

7月3日平塚市内で全国初となる「警戒レベル5 緊急安全確保」が発令されました。

これは今年5月に災害対策基本法が改正され、市町村が発表する避難情報が避難勧告と避難指示が避難指示に一本化されたことを受けたことによるもので、第3回定例会において条例の改正が提案されました。


今まで台風などと比べ予期することができない雨量が、流域の下流部を襲うことに対してダムの洪水調整だけでの限界を表しています。

その中で行政や住民が新たな連携を模索していくことが重要です。

グリーンインフラやEcoDRRといった、あらゆる主体がインフラに関わる仕組み作りが防災意識を醸成していくと考えます。県の強いリーダーシップを求めました。



また、県内における7月8月の豪雨においても環境農政局が把握した農林水産業の被害や、河川や道路など県土整備局の所管する施設においても被害が報告されています。


その中で今回提案された県税条例の改正案で第4期の「かながわ水源環境保全・再生実行5か年計画」は、この多発する自然災害の中で進めていかなければならない事業です。

報告では自然災害などにより計画通りに事業が進まず、基金に残高が生じており、今後は基金の残高も活用して事業実施をするとのことです。


本計画は「かながわ水源環境保全・再生施策大綱」の20年間の最後の5年間となります。来年度以降、施策大綱に書かれた「目指すべき将来像」の達成に向けてしっかりと取り組んでいただき、県民の方が特別な負担をしたことによる効果を実感できるように求めました。



本県に発生した豚熱の対応

今年7月8日に相模原市内で発生した豚熱について、県では危機管理対策本部を開催し、防疫活動に対応しました。

今回豚熱の予防対策の拡充のための予算が計上されました。

報告によると想定外のケースが多く見られ、防疫計画を見直していくとのことですが、県内の各農場の特性を踏まえ、事業者や市町村、地域との調整も必要になることから、県が調整役となり、必要な対策をしっかりと進めるよう求めました。


感染症に対応する今後の社会

この令和3年の夏は新型コロナウイルスのデルタ株による国内において、最大の波である第5波となり、医療が必要な方が自宅療養を迫られるといった医療逼迫の状況に見舞われました。

しかしワクチン普及や医療と地域の役割分担、医療資源の有効活用などから、少しずつですが感染症と共存する社会への展望も見えてきています。

このような時期に引き続き地域医療や療養の在り方や地域包括支援システムなどの議論をより重ねるべきです。


■職員の特殊勤務手当に関する条例の一部を改正する条例

県職員が新型コロナウイルス感染症のワクチン接種業務に従事した場合に特殊勤務手当を支給します。

ワクチン接種を推進するため、医師だけでなく、救急救命士の資格保有者や看護専門学校の教員なども含め、県職員の持つスキルを最大限活用して取り組んでいることは評価します。

感染症との闘いは、今後とも続きます。

引き続き県の持つ人的資源を有効に活用しながら、しっかり対応するように求めました。


■介護事業所での介護ロボットの導入

介護ロボットの普及は感染対策にも重要ですが、厚生労働省の調査では介護ロボット導入の際、事故だけでなく、「ヒヤリハット」事例も多かったということです。

その理由は機械を扱う人側の要因が多くを占めています。

適切な利用に当たって、職員間の共有を図るとともに、今回申請件数が非常に多く反響がある中、普及を進めつつも事故への対策をより一層求めました。



※県のHPより



事業者支援

経済のエンジンをまわしていくためには事業者、消費者それぞれに対する経済対策が必要です。

県内消費喚起対策事業である、かながわpayがいよいよ開始される見通しです。

しかし登録事業者が予定の半数に留まるなど、消費の活性化に寄与するのかなど疑問を感じざるを得ません。


当初の予定より、ポイント付与率を大幅に引き上げるため、利用者が増えるよう県民への周知についてはしっかりと取り組み、登録いただいた事業者さんにとっても活気的な事業となるよう求めます。


これらの施策も、アクセシビリティに基づき県民に分かりやすく伝わり、行動していただいてこそ効果があります。

その中でデジタル戦略本部室が中心となり、伝えること、伝わっているかを意識し、施策を進めることを求めました。



※県のHPより


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