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執筆者の写真圭介 佐藤

子ども・子育て・高齢社会対策特別委員会①(2020.10.2開催)

第3回定例会中に開催された子ども・子育て・高齢社会対策特別委員会について、質疑内容をお知らせします。

★特別委員会資料はこちら



●空き家対策の現状について



管理不全の空き家の増加による住環境の悪化を防ぐため、空き家の予防、適切な管理、利活用の観点から、県では「神奈川県居住支援協議会」や市町村等と連携して総合的な空き家対策に取り組むとしています。(資料P.6)


佐藤 県と市町村で構成する「空き家対策行政実務者会議」において市町村が抱える課題は

答弁 各市町村に照会し、回答をとりまとめて共有している


空き家対策は市町村の取組みですが、県は市町村と構成する「空き家対策行政実務者会議」において、市町村が空き家対策をする上での必要な情報提供を行い、先進的な取り組みを進める市町村やNPO法人等を招いた勉強会等を行っています。


県は毎年市町村に課題等を照会し、それらの情報を共有しているとのことですが、現段階ではまだ毎年度のものを集約はしておらず、ある程度実績を重ねてきた段階で、冊子等にまとめて市町村に配布するなど検討していきたいと考えていくとのことです。


実務者でないと分からないような悩みはかなりあると感じます。

諸課題が公開されていれば、そういうものを見ることで、関係団体が認識する機会にもなるため、取り組みを求めました。



佐藤 空き家対策は時間を要し、人員的に厳しい場合市町村もあると思うが県の対応は

答弁 マニュアル等作成したほか、助成事業も行っている。


空き家対策は複合的でかなり時間がかかります。

取り組むためには人員的に厳しい市町村もあるため、県としての補助について伺いました。


県では、県と市町村と不動産関係団体等からなる神奈川県居住支援協議会という場を活用して、市町村が策定している空き家等対策計画のモデル計画や所有者の特定手法などのマニュアル、市町村の窓口で活用するための空き家の相談テキストを作成して、各市町村の取組を支援すると取り組みをこれまでも進めてきました。


また、国の社会資本整備総合交付金を適用した空き家対策事業について、県が市町村の分の取りまとめを行い、令和2年度は12市町において、空き家の除却に対する助成事業などを行っています。


空き家対策はなかなか一つの課で収まらない課題も多いです。

一口に空き家といっても、ヒアリングから現地の確認など非常に時間がかかります。

報道でも未登記で昭和の初め頃の物件で、情報をたどるのに100万円ぐらいかかり、200人ぐらい探ったというような事例も聞くと、一つの市町村・担当課で取り組むのは大変です。


一方で、空き家は、売りたいという相談や届け出がなければ、行政としてもなかなか認知できず、そのままになってしまうと私は感じています。

このあたりが一気に社会問題化してくるというところが心配な点です。

その段階で市町村の担当課に非常に負担がかかることが想定されるため、実務者会議の中でも問題提起や、この先起きうることまで踏み込んで、特に市町村の担当者の悩みを深く聞いてほしいと求めました。



●県立高校生の学習活動コンソーシアムについて



 

これからの高校教育では、子供たちが未来社会を切り拓くための資質・能力を一層確実に育成するため、「社会に開かれた教育課程」の実現をめざすこ とが求められています。


このような中で、県教育委員会では、県立高校改革実施計画に基づき、外部資源の更なる活用を通して、 生徒の学習意欲や興味・関心、さらには進路希望の実現に向けた学習ニーズに対応できるよう、大学、短大、専修学校各種学校協会等の教育機関や企業等と「連携と協力に関する協定」を結んで、「県立高校生 学習活動コンソーシアム」を形成しました


 

佐藤 県央・相模原地域がモデル地域となっているが、どのような取り組みを行ったのか

答弁 中央農業高校をモデル候補として選定し、生徒が実践的な体験をした


本事業は、県央・相模原地域と港北・川崎地域の二つの地域をモデル地域とし、県央・相模原地域ではモデル地域の中核校、モデル候補として、中央農業高校が選定されました。


モデル校の中央農業高校では、企業や大学、地域の施設と協力して、農業や環境、それから職業、販売等をテーマに、生徒が実践的な体験ができるプログラムを実施しました。


具体的には

・県内のスーパーマーケットと連携して、学校で生産する鶏卵を使用したメニューを販売

・食資源科学という授業で地域の保育園に苗の植え付けを教えた

・食品製造実習の中で製菓、お菓子づくりの専門学校の講師の方を招き、より高度な内容の講義を受けた


このようなプログラムを実施したとのことです。



佐藤 企業や大学との連携はどのように行っているのか

答弁 年間計画に基づき、教員の方から依頼をしている


各高校では、年間の計画に基づき、教員から地域の企業や大学等に依頼をします。


《依頼の流れ》

①学校で担当の教員が授業の内容、実施したいプログラム等を考え、連携したい企業、大学等をイメージし、教育委員会のホームページでプログラム等を探す。


②希望する連携機関がプログラムが見つかったら、直接相手方の担当者と連絡を取り合って、細かいことを調整してプログラムを実施していく




佐藤 コンソーシアムは教育活動でどのように活用しているのか具体的な事例は

答弁 大学から出張いただき講義を行っていただいている


《本事業の具体例》

●生徒の数学への学習意欲を高めたい

 →大学と連携し、数学の苦手な生徒も興味が持てるような教材をアニメやイラストを使ってつくっていただき、大学のほうから出張講義を行っていただいた


●経済に関わる歴史的事象に対する理解を深めたい

 →銀行と連携し、 バブル経済の崩壊に関する出張講義を行っていただいた



佐藤 これまでの取り組みによる効果は

答弁 生徒の学習意欲が高まった、進路意識が高まったなどの感想があった


《取り組みの効果》

●生徒の学習への意欲、興味、関心が高まった

●大学、企業等との連携が多く、進路意識が高まった、進路選択の一助となった

●発表する側となって、聞いている人たちが何を問題なのかを問いかけることが大切だということを知ることができた

●ネットだけではなくて自分たちでアンケートを取って、数値化するということの根拠があっていいなということを感じた


これらの感想から、コンソーシアムのプログラムが生徒にとって、学習面や生活面において有効であるということが認知されたと県では認識しています。




佐藤 プログラムの提供にいたる経緯は

答弁 当初は学校から働きかけたが近年は大学や企業からの提案も多い


コンソーシアムの取り組みは平成28年度から始まった県立高校改革実施計画の中で位置づけられています。

当初は教科の担当が大学や短大あるいは企業を訪問し、事業について説明をして、参加していただきました。


最近では大学や企業から手を挙げていただくことも増え、例えば企業の方から、高校生にこういったプログラムを提供したい、あるいはこうしたことで貢献したいというお話をいただき、コンソーシアムに加わっていただくこともあります。



佐藤 県立高校において取り組みを推進するための取り組みと働きかけは

答弁 HPでの紹介と共有のほか活用事例集を配布した


《コンソーシアムを推進するための取り組み》

●県のHPで各校の取り組みを紹介し、内容を全ての高校で共有できるようにしている

●各高校に連携団体から提供いただいたプログラムなどを知らせるメールマガジンを送付

●生徒の学習意欲の向上に役立った事例を活用事例集としてまとめ、今年5月全ての県立高校に配布


今後もコンソーシアムの取り組みに関する情報を周知する機会をできるだけ増やし、事例紹介や連携機関の提供プログラムを高校に十分周知するほか、コンソーシアムを使って外部団体もいろいろご協力いただくことで、生徒の学習活動をしっかり伸ばしていけることをお知らせしながら、活用を見直していくとのことです。



●インクルーシブ教育の実践推進校の指定について



 

★「インクルーシブ教育」とは…

共生社会の実現に向けて、すべての子どもが同じ場で共に学び、共に育つことを通して、お互いを理解し、尊重し合う教育のこと

 

県は平成30年10月「県立高校改革実施計画( Ⅱ 期 )」において、パイロット校3校に加え、新たに11校をインクルーシブ教育実践推進校に指定しました。


佐藤 3校に加え新たに11校指定した理由は

答弁 県内の全地域の知的障がいのある生徒が、実践推進校を受験できるようにするため


県教育委員会では、知的障がいある生徒が高校教育を受ける機会を拡大するため、平成28年4月にパイロット校3校を指定しました。


このパイロット校3校では、連携募集による入学者選抜を実施していましたので、志願できるのは各パイロット校と連携した中学校に在籍する知的障がいのある生徒に限定されており、地域も限定されていました。


そこで県内の全地域の中学校に在籍する知的障がいのある生徒が、実践推進校を受験できるように、県立高校改革実施計画の2期で、3校に加えまして新たに11校を指定し、併せて入学者選抜の高校も変更して、対象となる中学校が限定されない特別募集を実施したとのことです。


佐藤 実践校の卒業生の進路状況は

答弁 進学が13.8%、職業訓練機関が27.6%、就職が41.4%、福祉関係の利用が17.2%


佐藤 なぜこのような幅広い選択に結びついたのか

答弁 継続的なキャリア教育や進路相談を通し進路先のイメージを高めることができたため


実践推進校では、まず各高校の学びを基本としながら、加えてキャリア教育に関する学校設定教科・科目を設置し、3年間計画的に取り組んでいます。


その中で将来の社会生活に必要な知識、マナーやコミュニケーションといった力を向上させることを目指しています。


また、将来の職業的な自立に向けて、実践的な力を養うため、例えばパソコンに関する検定や資格取得に向けた取り組みを行っているほか、職場見学やインターンシップによる職場実習などにも取り組んでいます。


こうした継続的なキャリア教育の授業や体験活動や丁寧な進路相談を通して、生徒一人一人が自己理解や具体的な進路先のイメージを高めることができ、それぞれの進路希望に応じた幅広い進路選択が実現したとのことです。



佐藤 キャリア教育について今後の課題は

答弁 今後生徒が増加するため、必要な実習先、見学先の確保に努める


幅広い進路選択に結びつけるためには、早い段階から生徒一人一人の進路希望と、その実現に向けた意欲を丁寧に教員が把握をし、進路支援の取り組みを始める必要があります。


そこで、新たに指定した11校も含め、生徒数がこれから増加することから、上級学校や産業現場における見学先や実習先を確保することが課題となります。


この課題に向け、これまでも県の教育委員会ではパイロット校がある地域の商工会や商工会議所、ハローワークなどを直接訪問し、本県のインクルーシブ教育の推進についてご理解とご協力をいただけるよう説明を重ねてきました。


また、進学をする生徒については、神奈川県専修学校各種学校協会と連携を図り、専門学校等に進学に向けた見学や体験等にご協力いただけるよう取組を進めていくことも必要です。


今後もこうした取組を継続し、必要な実習先、見学先の確保に努めるとのことです。


実践推進校でのキャリア教育における課題については、厳しい状況もあるということですが、生徒の将来の進路選択にもつながるため、引き続き支援・指導を行うことを求めました。


高校改革全体については、時代の変化もあり、私立高校や通信制の学校などさまざまな学校の選択肢があるなか、県立高校は選ばれないといけない状況です。

県立学校は地域に立脚しているという強みがあります。

引き続き県立学校の存在感を高めていくことを求めました。

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